「なんで、こんなことができないんだ？」

　「こうしろって言ったでしょ？」

　こういう話、事業主様、管理者様、または後輩の指導を行う中堅スタッフ様、何度か口にされたことがあるのではないでしょうか？

　そして、最終的には「私がやるからいい！！」なんてことも。

　そうなんですね。もしご自身に時間と余裕があれば、皆さんの部下の方がなさるより、ご自身でやったほうが早い、もしくはイライラしないで済む場合がほとんどですよね。

　私も会社にいた頃、結構イライラしながら、こういう機会があったように記憶してます。

　そんな中間管理職であった私に当時の上司が語ったお話。

　「いいか、清水は今なぜその立場に居る？また清水に付けた者はなぜ清水に管理させている？君が経験積んで優秀になったから、指導とか取りまとめを頼んだわけでしょ？」

　つまり、自身の標準を相手の標準にした目線・感性で「指導」をして、うまく伝わるはずがないと。

　よく言われますのが、

　「上司は部下の気持ちがわかるはず。なぜなら通ってきた道だから。」

　「部下は上司の気持ちがわからない。なぜならこれから歩く道だから。」

・・・確かにその通りなのですが。　

　しかし、私の経験した限り、自身が新人だった頃の感性、未熟だったころの「おっかなビックリ」感は、ある程度経験積むと、「自信」に変わりますので、忘れてしまい、だんだんと後進の人に「早くこっちにこい」となってしまう傾向にあるような気がします。それが「早くない」「すぐ成果が出ない」とイライラするわけです。

　　また、時代により、世代により、感じ方、慣習も異なってきますので、昔、自身が先輩から戴いた「鍛え」は時代遅れだったりと。

　そういうことを加味しますと、ご指導をなさる際、うまく行かない、時間が掛かるというケースに遭遇した際は、ひととき、一段階「目線」を下げて、お話、励まし、もしくは叱咤されるのもひとつの手段かと。

　相手も萎縮すると「何を伝えたいのか？」というところより、「この人怖い！」に注目し、「怒るられること」を回避することだけに全力を注ぐということに成りかねません。

せっかく苦労して「育てよう」「指導しよう」と尽力なさっているのに。

是非、持前の優秀さとご経験により、「うまく」管理・教育頂けたらと存じます。